献血はなぜボランティア制になったのでしょう?有償の国もあるのは本当?
今現在の日本で献血をボランティアで募っている理由としては、献血された血液自体が必ずしもそのままの状態で使えるというわけではなく、事前の検査や冷凍保存したり、状況によっては成分を取り出して使用する場合もあるということで運営するのに結構な費用がかかり、報酬を出す余裕がないということが挙げられるようです。
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献血でお金を支払っている国もある
でもどこの国でも一緒かというとそういうわけでもありません。中には献血で一定の金銭の受取りができるような国も存在しています。ある調査では今現在25カ国の国で全献血でお金が支払わているとのことです。
また全献血ではなく成分献血にのみお金を支払っている国もあります。
中国、ドイツ、アメリカ、カナダ、ロシアの5カ国では血漿(けっしょう)献血をした場合にのみお金が支払われることが確認されています。
イタリアでは献血をすると
血漿献血(けっしょう・けんけつ)とは血液の4つの成分の一つだけを摂って、残りは体内に戻す献血です。
血液は:
・赤血球
・白血球
・血漿(けっしょう)
・血小板(けっしょうばん)
という4つの成分で成り立っています。
でも最近海外で問題になっているのは有償で献血をする人は貧困層であることが多く、そのような人たちは健康管理が不十分である傾向が高いことから献血された血液によって患者が別の感染症にかかってしまうというリスクが上昇しているということです。
この状況は日本で献血が有償で行われるようになったとしても同じような状況が起きてしまうリスクがあります。
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日本で献血は ”無報酬” というわけではない
今や常識となっていますが今の日本では献血はしたとしてもお金を受けることはなく、全てボランティアで行われています。
でも報酬的なもので献血をしたらノベルティ(記念品)やお菓子やジュースなどが提供されたり、大きな献血センターなんかではハンドマッサージや健康相談などのサービスも用意されてします。
それから献血をした回数に応じて違ったノベルティ(記念品)を贈呈するシステムもありますから完全に無報酬で行っているというわけではありません。
報酬がお金ではなく物品であるだけのことです。
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お金を絡まない方が血液の安全性が保たれる
日本で使用する血液に関しては提供される前に、提供者が感染症を持っていないかどうかについてきちんと調べていることから現時点では問題ないことがほとんどです。
でもお金を支払うといった有償で献血者を募集すると献血希望者が何十倍にも増えることが予想されます、その場合の事前の検査について対応が追い付かずに時には検査が不十分になってしまうことも考えられます。
そのため無償で献血を依頼する方が血液の安全性が保たれると考えられているのです。
このように長年日本の献血はボランティアでもって成り立ってきたのですが、近年は少子高齢化により献血が可能な年齢層の人口が減少している上若年層は仕事や学業、育児などで多忙となっていて献血に時間を割くのが難しくなっています。
さらに今の時代は人とのつながりが薄くなっていて人助けとしての献血に興味を示さない人たちも多いような気がします。
このような状況のため、現在では慢性的に献血する人が減少して提供できる血液も少なくなっていると考えられるでしょう。
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もしかしたら近い将来はお金が支払われるようになるかも?
今では街頭でスタッフが呼び掛けたり、あるいは人の多く集まるショッピングセンターなどに献血車を派遣して少しでも多くの献血者を集められるようにしていますが、これだけでは状況は打破できない状態であるため、いずれまた献血を有償で行うかどうかについて論議がされるのではと予想されます。