コーシャーではなぜ豚肉がご法度なの?ユダヤ教の豚の定義

英語ではコーシャー(kosher)という人がほとんどですが、コーシェルとかカーシェールとかいう人もいるみたいですね。
今日はコーシャについて概要をまとめてみました。
コーシャはユダヤ教徒の方たちの食事といいますか、食べ物に対する規則です。
豚肉がご法度なわけ
まず大きな特徴として、
- 食べる動物の種類
- 肉類のさばき方
- 乳製品
の摂り方が上げられます。
代表的な食べてはいけない肉類は「豚」ですね。
あとエビとか貝類も食べれません。
理由は汚れているからです。
個人的にはそんな風には思いませんが、好き嫌いではなくて
「食べていい」
「食べちゃいけないもの」
のリストをコーランを書いた人たちが上げてそう決めたのです。
そういうことなので、そういうことなのです。
豚には価値がないのか?
かなり細かくリスト化されているようですが、ほんっとうに厳格に規律を守っている人以外は、実は意味までは把握してないような感じです。
ただ「豚」に関しては、興味深い説明がありました。豚はただ食べられるためだけに存在しているからだそうです。
馬や牛、羊やヤギなど代表的な家畜類はそれぞれ人の代わりに働いてくれたりミルクを与えてくれたりと世話をする傍ら、何かしら人間に恩恵を与えるわけですが、「豚」はただ餌をもらうだけ。
なので純粋ではないということらしいのです。
なんともコメントしようのないコメントです。
矛盾する2つのもの:肉と乳
それからコーシャの食事では牛乳と肉が同じメニューにのることがありません。
これはかなり厳格に分けられていて、一般家庭には肉類専用、乳製品専用のコンロ2つ、2つの冷蔵庫、シンクも2つ、食洗機も2つ用意するのが慣習のよう。なぜわざわざ。。。
これはちょっと気になりますね。どういうことなんでしょうか。
一言でいうと、肉類と乳製品を一緒に摂るのは「魂に害を与える」から、とのことです。
ユダヤ教では肉類とミルクは両極端の理性を(精神)を表すものとして捉えらてるらしいんですね。肉類は厳格さや強さを表すのに対して、ミルクは親切さや愛を表す。
肉類はもちろん動物を殺めなければいませんね、そこには厳格な意思が必要とされます。
ミルクは新しい命に栄養をあたえてくれる。同じ動物から得られるものだけど、その特性が極端に矛盾する、これがどうも気に入らなかったんでしょうか。
肉類がその動物の最後のステージから得られるものに対して、ミルクは命の始まりのステージで得られるもの、ってことです。
確かに考えてみればそうとも言えなくもないですよね。
ユダヤ教には「カバラ」という思想主義があり、その中でも肉類は粗く血の赤い色は厳格さを象徴しているとされます。
そしてミルクの白は優しさやさらさらとした流れを表し、感情や精神の環境を整えてくれるものとして捉えられている。
こんな感じなのでこの両極端の2つのものを混ぜたり、組み合わせたり、同じお皿に盛ったり、同じ場所で一緒に取り扱うことをダメとしているんですね。
コーシャーでは肉類と乳製品を食べる時は時間をあける
コーシャレストランはユダヤ教のコミュニティーがある場所にはだいたい存在するようですが、肉類を扱うレストランと乳製品を扱うレストランで別れてはっきり別れているそうです。
ミートレストランとミルクレストランとか。
普通のレストランとベジタリアンのレストラントくらいまったく違ったレストラントで、しかも肉類と乳製品を食べる時にはある一定の時間を間に開けることも必要らしいです。
乳製品を食べた後に肉類を食べる時は3時間くらい、でも肉類を食べた後に乳製品を食べる時は人によっては6時間くらい開ける人もいるようです。
ユダヤ教信者ではない僕でさえこの時間の間隔が人によって違うのがちょっと気になるところところなので、同じユダヤ教徒の間でもいろいろ議論があるような気がします。
スポンサーリンク肉類を扱う食堂ではバターはもちろんだめなので、代わりにオイルを、牛乳の代わりに豆乳製品を使います。
ミルクレストランはペイストリーやケーキなどのデザートやコーヒーを出す、いわゆるカフェのことを指すようです。
またユダヤ民族とユダヤ教徒には幾分違いがあって、ユダヤ民族の全員が全員ユダヤ教をタムルードに従って信仰してるってわけでもないようで、ポークは食べないけど、それはそういう過程で育ったからなんていう人がほとんどだそうです。
一方でオーソドックスのユダヤ教徒はタムルードにかかれていることを理解して、コーシャの食規律を守っているよう。
何かを信じて信仰することはそれはそれで尊敬に値すると思います。
個人的には自分の体と心といいと思うものを、制限なく選べる方がいいなぁと思うのでコーシャの食規律は守れそうにありませんが、
コーシャはユダヤ教徒だけしか食べれないというわけではなく、誰でも食べていいものなので、次どこかコーシャレストランを見つけた時はぜひ行ってみたいと思います。
