ナショナリズムと愛国心は違うもの一生一掃は出来ない

 

ナショナリズムと愛国心には、微妙なニュアンスの違いがあります。愛国心が自国への純粋な誇りを表すのに対して、ナショナリズムには同質性を求める意味合いが隠れているのです。

 

「求める」というのがミソかもしれません。

 

スポンサーリンク

 

ナショナリズムは暴走しがち 自分の都合で敵を作り出す

 

国民や民族の一体感を積極的に求めるのがナショナリズムなのです。したがってそれは、異質な他者を排除するところにまで暴走しがちです。

 

でもナショナリズムにはいい点もあれば悪い点もあります。

 

いい点としては、やはり社会を一体化する力ですね。資本主義というシステムは社会を分解させる方向に作用しますよね。貧富の差が拡大していくからです。

 

それを緩和する働きが、ナショナリズムには期待できます。

 

逆にナショナリズムの悪い点としては、他者の排除が挙げられます。一体性を求めるあまり、他者をすべて敵に見立てて排除してしまうのですね。

 

もっとひどい場合には、積極的に敵を作ることによって自分たちの一体化を達成しようという事態も出てきます。

 

客観的に見れば敵などいないのに、自分たちの都合に合わせて敵を作り出すのです。

 

私としてはナショナリズムにいいイメージはありません。やはり暴走する大衆が目につくのです。

 

最近では日本と韓国の応酬がいい例です。そうやって敵を作り上げて叩いても、国家のイメージがよくなるとは思えません。

 

ただ、ナショナリズムを人間の心から一掃することは難しいと思います。

 

ナショナリズムは近代(20世紀)以降の新しい現象ですが、自分が属する共同体の同質性を求め、逆に他者を攻撃する傾向というのは、おそらく太古の昔から培われてきた人間の本能に根ざしていますから。

 

本能自体に逆らうことは難しいでしょう。個人のレベルではそのような衝動を乗り越えることも可能でしょうが、大衆のレベルでそれを克服できるとは思えません。

 

ポジティブな可能性があるとすれば、その本能をナショナリズムとは違った形で発現させることにあると思います。

 

スポンサーリンク

 

ナショナリズムの形成には2種類ある

 

ナショナリズムは大きく分けて、民族主義的思想と国家主義的思想の2つの形成方法に分けられると思います。

 

民族主義的思想は他民族または他国によって抑圧・従属されていた民族が、独立して国家を形成しようとしたことを指します。

 

例としてはインドのガンジーが挙げられ、イギリスに支配されていたインド国内にて、反イギリス運動を主導し、不服従運動を行なったり、塩専売法に反対し投獄されるなど、インド独立に向けて動いた人物とされています。

 

結果としてインドは独立。ガンジーはインド建国の父とされています。一方、国家主義的思想は国家主導で個人の人権や自由を制限・抑圧することや、他国領土を侵略することで国家を拡大する思想を指します。

 

具体例として、ナチス=ドイツが挙げられ、ヒットラーの国策により多くのユダヤ人が迫害され、ゲルマン人のみ、自由主義、社会主義、共産主義の思想を持たない人々の国家が形成されました。

 

ナショナリズムは危険をはらんでいる

 

歴史を見ていくとナショナリズムに危険性はあると思います。先程例として挙げたナチス=ドイツにて、ヒットラーのナショナリズムにより、ホロコーストと呼ばれるユダヤ人への組織的大虐殺が起こってしまったのです。

 

これはユダヤ人への人権侵害であり、共生社会を目指すのであればナショナリズムの思想は危険だと考えられます。

 

スポンサーリンク

 

ナショナリズムの反対語は?

 

ナショナリズムの反対語として挙げられるのは、グローバリズムだと言われています。ただこれは1990年代にアメリカで使われ始めた、経済社会での意味合いが強いでしょう。

 

個人的には「コスモポリタニズム」の方がしっくりくるんじゃないかと思うのですが、発展国では戦争の時代は終わり、経済で繋がることを重視しているのでグローバリズムでもいいのかもしれません。

 

コスモポリタニズム、グローバリズムはどちらも「地球主義」と訳され、地球を一つの共同体と見なして、世界の一体化、つまりはグローバリゼーションを進める思想であることを指しています。

 

具体的にはアメリカの企業であるマクドナルドやスターバックスなどが日本や韓国といったアメリカ以外の国に進出し、世界規模でビジネスを進めています。

 

また、日本でも外国人労働者の受け入れを進めていて、介護職での受け入れ拡大を進めています。これにより日本国内における介護職の人手不足の解消が期待されるでしょう。

 
スポンサーリンク

Posted by MIC